犬猫通信 【Vol.1】
飼育放棄からペットを救う!?
コロナ禍のペットブームのあとペットシッターが必要とされるワケ
ペットブームに潜む「飼育放棄」の現実
新型コロナウイルスの感染拡大によって私たちの生活は大きく変わり、自宅にいる時間が多くなった人も多いと思います。そんななかペットの人気がにわかに高まり、今は空前の「ペットブーム」となっています。自粛生活中の癒しを求めて、ペットショップでペットを購入したり、動物保護施設への譲渡申し込みが急増しているのです。
ただ、ペットを飼っている人にとっては当たり前のことですが、ペットはただ可愛いだけの存在ではありません。その世話には手間もかかり、フードやトイレ用品、病院代などの費用も必要になり、何より一生を共に生きていくという責任と覚悟が必要です。
しかし残念なことに、このにわかペットブームのなか飼い始めた人たちの中には、「家族にアレルギーが出た」「トイレを全然覚えてくれない」「ニオイに耐えられない」など自分勝手な都合で飼ったばかりのペットを早速保護施設などに持ち込む人が少なくないそうです。
ペットブームの陰には、悲しいことにこのような「飼育放棄」が付いてまわるのです。
SNSがペットブームを後押し
ペットブームの要因の一つに、一人当たり10万円が配られた特別定額給付金があり、このお金を元手にペットを購入する人が多くいたそうです。
さらにYouTubeやInstagramなどのSNSがこのペットブームを後押ししています。可愛いペットの写真や動画をみて癒されたり、寝る前にみることを日課にしている人はコロナ禍以前から多くいましたが、この自粛生活がきっかけで実際にペットを飼い始める人が増え、特に人恋しさから一人暮らしの人がペットを飼うケースが多いそうです。
SNS上で可愛い寝姿やペット同士が仲良くするのはみていて微笑ましいものですが、実際に飼うとなるとペットの世話は簡単なものではありません。ウンチやオシッコをしたらトイレの掃除をこまめにしなければなりませんし、ある程度決まった時間にご飯もあげなければなりませんし、犬の場合は散歩にも行かなければなりません。そして何よりペットには普段からたっぷり愛情を注いであげる必要があります。
今はペットと過ごす時間が多いかもしれませんが、これからは仕事で帰りが遅くなったり、帰省や旅行に出かけたりする機会が多くなり、徐々にこれまで当たり前だった日常が戻ってくるでしょう。そうなった時に、今までできていたペットの世話が難しくなることがあるかもしれません。
そんな時は保護施設に引き取りを求めたり、安易にペットを手放すことを考えずに、ご飯は自動給餌機であげるようにしたり、トイレの数を増やしたり、家族や知人に協力をお願いしたり、まずは自分たちで何ができるか考えてみてください。
ペットシッターなど外部の支援サービスの活用を
それでも家族や自分一人でペットの世話が難しくなったらペットホテルなど外部の支援サービスをぜひ活用してください。ただ、ペットホテルでは他のペットとの距離が近い場合や、環境が変わったり長時間狭いケージで過ごすことによってペットが体調を崩すケースがよくみられますし、特に高齢のペットや環境の変化が苦手な猫の場合はなおさら注意が必要です。
そういう場合、ペットシッターの利用を検討してはいかがでしょうか?
ペットシッターは出張や旅行などの留守中のお世話はもちろんですが、仕事で遅くなる場合なども飼い主に代わって普段と変わらない環境でいつも通りのお世話をします。
ただ私たちの力不足でペットシッターの存在をまだ知らない人が多いのが現状で、当店にも「ペットを預かってください。」というホテルと勘違いした問い合わせが寄せられることもあります。実際に当店を利用される方に聞いても、ホテルを探していてたまたま見つけたなど、それまでペットシッターという存在を知らなかった方も少なくありません。
もし皆さんの周りにペットのお世話で困っている人がいたら、こういうサービスがあるということをお伝えください。「飼育放棄」による不幸なペットをこれ以上増やさないためにぜひご協力をお願いします。
ペットシッターとはどのようなサービス?
では、ペットシッターとはどのようなサービスなのでしょうか?
ペットシッターとはペットホテルのようにペットを施設でお預かりするのではなく、留守中のご自宅にシッターが伺ってペットのお世話をするサービスです。ホテルと違ってペットは普段と変わらない環境で過ごせるので、留守番するペットのストレスが軽減されます。
しかし、実際に利用するとなると躊躇する人も多いと思います。
一番心配なのは「シッターがどんな人なのか」ということだと思いますが、ペットシッター業者は初回の打ち合わせは無料で行っているところがほとんどなので、もし不安がある場合は何人かと会ってみて信頼できるシッターを選んでください。もちろん当店も初回打ち合わせは無料ですし、会ってから断っても全く問題ありません。
電話・メール・LINEでのご相談も受け付けていますので、分からないことや心配なことがあれば遠慮なくお問い合わせください。
それに加え他人に鍵を預ける不安も大きいと思いますが、シッターもその重責を十分理解し、鍵のかかる金庫に保管するなど管理は厳重に行っています。また、当然ご利用者様に許可された場所しか立ち入りませんし、ペットのお世話に必要のないものに触ることもありません。
ペットシッターが行うお世話の内容
では、ペットシッターはどんな事をしてくれるのでしょうか?
初めてご利用する場合は、まずご自宅に伺って打ち合わせをさせていただきます。そこでシッターとの相性などペットの様子を確認させていただくのと合わせて、お世話の内容を詳しくヒアリングしますが、基本的には皆さんが普段しているお世話をそのまま行います。
●ワンちゃんの場合:散歩や遊び、ご飯や水の用意、トイレの掃除
●猫ちゃんの場合:ご飯や水の用意、トイレの掃除、遊び
●ウサギなど小動物の場合:ご飯や水の用意、ケージやトイレの掃除、遊び
その他にもカーテンの開閉(朝開けて夜閉めるなど)、電気のON/OFF(夜つけて朝消すなど)、エアコンの調整、新聞や郵便物の取り込みなどにも可能な範囲で対応します。火気を使用した調理など安全上できないこともありますが、要望は何でも遠慮なく伝えてください。
また、留守中のペットが元気に過ごしているか心配だと思いますが、シッターから毎回終了後にメールやLINEで、どれくらいご飯を食べたか、オシッコ、ウンチの状態や回数など、ペットの様子を写真付きで詳しく報告させていただきます。
最初は色々不安もあるかと思いますが、一度利用すると満足いただける方が多く、約7割の方がリピーターになっていただいています。
「安心して旅行や外出でき行動範囲が広がった」「信頼して鍵を預けたままにしているので急な依頼にも対応してもらえる」「病院に預けていた時はいつも体調を崩していたが今は安心して外泊できる」など実際に利用した方の感想を店舗ブログ「お客様の声」で紹介しているので、ぜひ一度ご覧ください。
ここまでご覧いただいて、ペットシッターのことを少し理解していただけたでしょうか?
ペット業界では、今のこの「ペットブーム」のあとの「飼育放棄」が危惧されていて、実際にそれが現実のものとなり始めているのです。もしペットの世話で本当に困ったら、一度縁のあった可愛いペットを安易に手放すのではなく、ぜひ一度ペットシッターの利用をご検討ください。
2020.11.13
【犬猫通信<コラム> index】
vol.1:飼育放棄からペットを救う!? コロナ禍のペットブームのあとペットシッターが必要とされるワケ(2020.11.13)
vol.2:足立区・葛飾区では災害時にペットとの「同行避難」が可能です(2020.11.20)
vol.3:足立区・葛飾区の年中無休・24時間・夜間対応の動物病院を知っておこう(2020.11.27)
vol.4:足立区・葛飾区が発信しているペットのお役立ち情報(2020.12.4)
vol.5:足立区・葛飾区のおすすめドッグランと利用時の注意点(2020.12.11)
vol.6:高齢者の多い足立区と葛飾区、シニア世代がペットを飼うときに潜むリスクとは(2020.12.25)
vol.7:ペットの高齢化問題とペットシッターなどの支援サービスの活用について(2021.2.8)